HDDから自分でデータを取り出せる？方法と注意点について解説！

普段あたり前に使っているパソコン、大事なデータがたくさん保存されていますよね。それらが突然見れなくなったらどうしたらいいでしょうか。

データが見れなくなった場合、HDD(ハードディスクドライブ)が故障した可能性が高いです。そうなってしまった場合、データを再度見れるようにすることは可能なのでしょうか。

本記事では、そんな時の対処法や注意点についてまとめています。データが見れなくなって困ったという方は、ぜひ参考にしてください。

HDD、故障の原因は？

HDDが故障する原因には、大きく分けて2種類あります。それは「物理障害」と「論理障害」と呼ばれるものです。

それぞれご紹介しますので、どちらに当てはまるかご確認ください。

物理障害

物理障害とは、HDDそのものに損傷があることが原因の故障を指します。例えばパソコンを高い場所から落とした、水没させた、経年劣化などが原因で、HDD内部の部品や基盤などが破損している状態です。

物理障害の特徴として、パソコンを起動していて変な音がしたり、逆に本来している起動音やディスクの回転音がしていないことが上げられます。HDDがかなり熱くなっている場合も要注意です。

物理障害の場合、自力でデータを取り出すことはかなり難しいです。状態をさらに悪化させてしまう恐れがあるので、なるべく業者に依頼するようにしましょう。

論理障害

物理障害とは対照的に、論理障害はHDDに損傷は見られません。HDDに保存されているデータやファイルが破損してしまう障害です。

論理障害が起こる原因は、ウイルスへの感染やOSが認識できないファイルを使用したことでが上げられます。他にも、誤操作で初期化してしまったなどの人為的な理由も含まれます。

論理障害が原因であれば多くの場合、データ自体は正常に残っています。そのため、データ復旧も可能なことが多いです。

物理障害と論理障害の見分け方

故障の原因が2通りあるため、どちらが原因で起こっているのかがわかればその後の対応もスムーズです。そうすれば最初の対処法も正しくできるため、データが消える可能性は低くなります。

起動時の音

原因の見分け方として、パソコンの電源を入れたときの音はわかりやすいでしょう。変な音が聞こえるな、と思ったら物理障害の可能性が高いです。

焦げた跡や匂い

音に続いてわかりやすいのが、HDDから異臭がしたり、焦げたような跡が残っている場合です。こういった症状が見られた場合、HDD内部でショートが起こっている可能性が高く、かなり危険です。

すぐに電源を切り、ケーブルも抜くようにしましょう。これは物理障害の場合がほとんどです。

パソコン上で認識がされているか

パソコンのディスク管理やBIOSでHDDが認識されていない場合、物理障害と判断することができるでしょう。逆に、そこでは表示されているのにHDDにアクセスができないという場合は論理障害が疑えます。

パソコンがつかない

パソコンを立ち上げようとしても、電源が入らなかったり画面に何も映らないなど無反応の場合は倫理障害のことが多いです。そもそもHDDの問題ではない可能性が高いでしょう。

パソコン自体はついたけど、画面にエラーが出てきたりして立ち上げられない場合、どちらが要因かの判断が難しいです。こういった場合は無闇に操作せず、電源を落としておいた方がいいでしょう。

HDDが故障したときの注意点

HDDが故障しているとき、扱い方によっては今後の復旧作業ができなくなってしまうこともあります。そのくらい、故障したときはパソコンの扱い方に注意が必要です。

特に注意したいことをご紹介します。

電源のON/OFFをやたらとしない

パソコンが不調だと思うとき、とりあえず電源を落としたり再起動したりする方は多いでしょう。しかし、この電源のON/OFFはHDDに大きな負荷をかけることになります。

特に物理障害の場合は、これによりデータが上書きされたり、最悪完全に消えてしまう恐れがあります。HDDが故障しているとわかったら、そのパソコンの電源は落としておくようにしましょう。

HDDを分解しない

今は調べれば、自分でデータ復旧ができる方法がたくさんでてきます。そこで試してみたくなってしまう方もいるでしょう。

HDDは簡単に取り扱えるものではありません。安易に触って復旧に失敗したとしても、一度分解したものはメーカー保証対象外となり、業者への依頼ができなくなることもあります。

自分で触ったことで悪化させた上に、メーカーに頼めばデータを復旧できたかもしれない可能性を潰すことになります。無理にHDDを分解するようなことはやめましょう。

フォーマットをしない

フォーマットとは、HDDを初期化してまた使用できる状態にすることです。HDDに不具合が生じると、フォーマットするか聞かれるメッセージが表示されることがあります。

そこでフォーマットすることを選択してしまうと、データを消されてしまいます。消されてしまったらデータ復旧できる可能性が下がってしまうので、フォーマットはしないように気をつけましょう。

故障したHDDからデータを取り出す方法とは

データが見れないままでは困ってしまうので、なんとかデータを復旧させたいですよね。壊れたHDDからからデータを取り出す方法はいくつかあります。

自分で行う場合

業者などに依頼せず、自分でデータを取り出す方法として2種類あります。物理的にHDDを取り出して移行する方法と、市販のソフトを使用する方法です。

それぞれご紹介します。

HDDを移行する

HDDを他のパソコンに移してデータを取り出す方法があります。HDDは消耗品のため、多くのパソコンは交換ができることを前提に作られています。

説明書などを見ながらHDDを取り外し、別のパソコンにケーブルで繋ぐことでデータを取り出せる可能性があります。ただ、HDD自体に異常があった場合はそれによって悪化してしまう恐れがあります。

取り扱いには十分に注意が必要です。そのため、あまりおすすめできる方法ではありません。

自分で移行するのであれば、HDDの移行までにして、分解までは行わないようにしましょう。

データ復旧ソフトを使う

データ復旧ソフトを使う前提条件として、軽度の論理障害によるものでパソコンが正常に作動することが必須です。この場合であれば、市販のソフトを使用してデータを復旧させることができるかもしれません。

使用するに当たって注意も必要です。データ復旧ソフトを使うことでHDDに負荷がかかって、状況を悪化させることもあります。

また、データを上書きしてしまい、大事なデータが消えてしまうこともあります。

業者に依頼する場合

上記のようなことを自分でするには不安があったり、そもそもパソコンが起動しないなど、どうもできないとなった場合は専門業者に依頼しましょう。

メーカーに交換依頼

パソコンの多くはメーカー保証が付いているので、不具合があれば修理してもらえます。HDDを交換したい場合も、もちろん対応可能です。

プロによって修理してもらえば、またパソコンが使用できるようになります。ただ、「交換」なので新しいHDDが取り付けられることになります。

そうなると元のHDDに入っていたデータは見れなくなってしまうためバックアップを取るなど、メーカーに依頼する前に準備が必要です。

専門業者に依頼

今はこのようなときに対応してくれる、データ復旧専門の業者があります。もうパソコンを動かすこともできず、バックアップが取れないという場合はこういった業者に依頼するのが一番良いでしょう。

HDDからデータが消えたわけではなく、復旧ではなく取り出したいだけという場合でも対応してもらえます。データの取り出しなら、データ復旧よりも費用をかけずに依頼できます。

メーカーや業者は、多くのパソコン修理に対応しているので安心しておまかせできます。無理に自分でなんとかしようとせず、プロに依頼することをおすすめします。

HDDの取り扱いは慎重に｜まとめ

HDDの寿命は3～4年と言われており、使用頻度によってはもっと短い場合もあります。突然データが見れなくなって困らないためにも、普段からバックアップを取る癖をつけておきましょう。

それでも、急なトラブルは避けられません。そんなときは障害の原因を把握し、最初の対応を正しく行うようにしましょう。

そうすれば専門業者への依頼もスムーズにでき、HDDのデータ復旧やデータの取り出しができる可能性を高めることができます。この記事がHDDのトラブル解決に役立てれば幸いです。